魚がルアーに喰らいつく瞬間や、大物とのやり取りのシーンなど、釣りの感動の瞬間を動画に収めたいとGoProを導入した釣り人はきっと多いのではないでしょうか。ところが、苦労して撮影してきた動画を家のパソコンで見てみると
実際に見たものとなんか違う…Orz
と映像のクオリティにガッカリしてしまった経験はないでしょうか?
水面部分が白く光ってしまい、一番大事な魚の姿がぼやけてよく見えなかったというのはよくある話です。
この水面が白く光ってしまう現象というのは、水面で反射した光をカメラが拾ってしまうことが主な原因。カメラがこれを拾いさえしなければ、魚たちの姿をもっと鮮明に映すことができる筈なんです。
そこで今回の記事では、この反射光による悪影響を抑えるのに役立つ偏光フィルターについて紹介したいと思います。
GoProのレンズ部分にこのフィルターを取り付けることによって、見違えるくらい鮮明に魚たちの姿を映像に収めることができます。
今までよりもワンランク上の釣り動画を残したいという方はぜひ実践してみてください!
魚を鮮明に撮りたいならPL(偏光)フィルターは必須
GoProを使って水中にいる魚の様子を鮮明に撮りたいなら、偏光フィルター(以降、PLフィルターとする)を導入するのがいちばんです。
このPLフィルターには水面で反射した光を遮る特性があります。GoProのレンズ前面にこのフィルターを取り付けてやることで、GoProのレンズ内に余計な光が入ることを防いでくれます。その結果、水中の魚の様子を鮮明に映し出すことができるという訳です。
下の画像はPLフィルターの効果を示すために用意したものです。画像中央にある縦のラインを左右にスライドさせることによって、PLフィルター(あり/なし)の画像を見比べることができます。
左側の【PLフィルターなし】の画像を見てみると、水面の大部分が反射光によって白く光ってしまってます。その結果、水中の魚たちの姿がとても不鮮明で色もあまりぱっとしません。水面に浮かんだ落ち葉がやけに目立ってますね。
続いて、右側の【PLフィルターあり】の画像を見てみると、水面での光の反射が大きく抑えられている様子が見て取れます。その結果、水中にいる魚たちの姿がとても鮮明に映し出されています。水面に浮かんだ落ち葉もそれほど気になりません。実際に人の目で見たときに近い見え方となっています。
また、魚以外の周囲の景色にも注目してみてください。フィルターありの方は、草の緑がより鮮明になっていませんか。これも草の葉の表面で反射した光がPLフィルターによって遮られたことの効果になります。
以下にPLフィルター(あり/なし) での動画も用意しましたので見比べてみてください。PLフィルターの効果は一目瞭然だと思います。
今回、GoProカメラに取り付けたPLフィルターというのは、釣り人ならばおそらく誰でも持っているあの偏光サングラスと基本的な仕組みは同じものです。偏光サングラスのありなしで水中の見え方がまったく違うのはすでに皆さんご存じのとおりです。
このことからも、 綺麗で鮮明な釣り動画を撮りたいなら、PLフィルターは必須だという理由がよく分かってもらえたのではないでしょうか。
GoProへのPLフィルターの取り付け方について
ここからは、GoPro(HEROシリーズ)へのPLフィルターの取り付け方について詳しく説明していきます。
GoProにPLフィルターを取り付けるためには、PLフィルターの他に、アダプターを用意する必要があります。
ネットでキーワード『GoPro 偏光 PLフィルター』で検索してみると、関連商品がいろいろヒットしてきます。
それらをよく見てみると、市場には大きく分けて
- PLフィルターとアダプターが一体型となったタイプ
- PLフィルターとアダプターが分離できるタイプ
この2種類が発売されていることが分かります。
PLフィルターとアダプターが一体型となったタイプ
このタイプの商品の特徴は次のようなものです。
- 取り付けが簡単
- とてもコンパクトで持ち運びに便利
- GoProでしか使えない専用品である。同じGoProのHEROシリーズ内でも共用ができないものもある(HERO8用の製品はHERO9&10では使えないなど)。
このタイプの商品にはどんなものがあるのか、いくつか具体的に見ていきましょう。
一体型タイプ 商品例①
画像出典:TELESIN
このTELESINの商品は、PLフィルターとアダプターが一体型となったものの典型例といえるものです。フィルターの取り付けはとても簡単で、GoPro本体から飛び出している四角いレンズ保護カバー部分に被せるだけです。
レンズ保護カバーの形状とサイズは、同じGoProのHEROシリーズ内で必ずしも統一されている訳ではありません。購入の際には、自分が持っているHERO〇〇でも使えるのかしっかり確認する必要があります。
また、この商品はPLフィルターの角度調整ができない仕様となっているので、フィルターの効果を変えることはできません。 ※1
一体型タイプ 商品例②
画像出典:TELESIN
こちらもTELESINの商品になります。PLフィルターの取り付けは、先ほどの商品例①と同じようにレンズ保護カバー部分に被せるだけでとても簡単です。
商品例①との大きな違いは、PLフィルターの形状が角型でなく丸型になっており、さらにこれを自由に回すことができる点です。これによってフィルターの角度調整が可能となり、フィルターの効果を自由に変えることができるようになっています。 ※1
PLフィルターとアダプターが分離できるタイプ
このタイプの商品の特徴は次のようなものです。
- 一体型の商品と比べると、取り付けが多少面倒。
- 一体型の商品と比べると、部品点数が多くなるのでかさばる。管理するのが面倒になる場合も
- 丸型のPLフィルタータイプの商品であれば、PLフィルターだけは他のGoPro HEROシリーズにも流用が可能。ただし、アダプターは流用できないものもある(HERO8用の製品はHERO9&10では使えないなど)。
- 一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラ向けとして販売されている、丸型のPLフィルターが利用可能。ただし、使用するフィルターのサイズによっては、別途ステップアップリングなどの付属品を揃える必要がある。
このタイプの商品の魅力は、なんといってもPLフィルターが流用可能だということです。GoProで使えるPLフィルターには、形状の違いで角型と丸型の2タイプのものがあります。このうち、丸型タイプのPLフィルターであれば、GoPro HEROシリーズ内で流用が可能です。
ただし、この丸型PLフィルターを取り付けるためのアダプターはGoProとの相性があり、同じGoProでもHEROシリーズ内で流用ができない場合があります(HERO8用の製品はHERO9&10では使えないなど)。もし流用できない場合は、アダプターのみ新たに買い足す必要があります。
PLフィルターの中にはその性能の違いによってお値段がひじょうに高いものがあります。これに対して、アダプターは比較的お値段が安いものがほとんどです。
今後、新たにGoPro HEROシリーズが発売されこれを買ったとします。その際にアダプターを買い替えるだけで、今ある丸型PLフィルターが使えたらとてもお得で嬉しいと思いませんか?
PLフィルターとアダプターが分離できるタイプの商品であれば、そんな使い方ができるようになります。
このタイプの商品にはどんなものがあるのか、いくつか具体的に見ていきましょう。
分離型タイプ 商品例①
画像出典:TELESIN
このTELESINの商品は、PLフィルターとアダプターが別々に分離できるタイプの典型品です。
GoPro本体のレンズ保護カバー部分にアダプターを取り付けたあとは、磁石の力でPLフィルターをアダプターに取り付ける仕様になっています。
写真の商品はHERO8用のものです。アダプターのサイズが合わないためHERO9&10には取り付けることはできません。
分離型タイプ 商品例②
画像出典:GLIDER SPORTS
こちらはGLIDER SPORTSの商品で、PLフィルターとアダプターが分離できるタイプのものです。
アダプターの取り付けはとても簡単で、アダプター側にあるツメを GoPro本体に引っ掛けるだけです。丸型52mmサイズのPLフィルターはねじ込んでアダプターに取り付けます。
PLフィルターの形状が丸型のため、フィルターの角度調整が可能。フィルターを回してやればフィルターの効果を自由に変えることができます。
分離型タイプ 商品例③
画像出典:PULUZ
このPULUZの商品もPLフィルターとアダプターが分離できるタイプの典型例です。
アダプターはGoPro本体のレンズ保護カバーに取り付けるのですが、より確実に固定するために六角穴付きの止めネジ2本で締める仕様になっています(ネジ締めは付属の六角レンチを使います)。このようにアダプターの取り付けは多少面倒ですが、脱落の心配がほとんどないので安心して使えます。
丸型PLフィルターのアダプターへの取り付けはねじ込み式となっており、取り付け可能なPLフィルターのサイズは52mmとなっています。
実は私が今現在使用しているのがこのPULUZの製品になります。ただし、取り付けている丸型PLフィルターのサイズは52mmではなく、62mmのものを使用しています。
52mm対応のアダプターになぜ62mmのPLフィルターが取り付け可能なのかについては、次の項で詳しく説明します。
私はこんな感じにPLフィルターを付けています
上でも書いたように、私は分離型タイプの商品例③であげたPULUZの商品を使用しています。
使用している機材をリストアップすると次のようなかんじです。
- GoPro : GoPro HERO10
- アダプター :分離型タイプの商品例③で紹介したPULUZの商品。対応するフィルターサイズは52mm
- PLフィルター : 丸型PLフィルター(サイズは62mm) Kenko社のゼクロス C-PL
- ステップアップリング : 52-62 フィルター径変換用のアダプター Kenko社
- レンズキャップ : PLフィルター保護用のレンズキャップ(サイズは62mm)
リスト内にある62mmの丸型PLフィルターは、一眼レフカメラ用として以前から私が使用しているものです。GoPro用として新たにPLフィルターを購入するのは勿体ないと思い、今回はこれを流用することにしました。
ただし、アダプターが対応するフィルターサイズが52mmであるため、62mmサイズのPLフィルターを取り付けることができません。
今回はこの対応として、フィルター径変換用のアダプターであるステップアップリング(52-62)を使うことにしました。
これを丸型PLフィルターとアダプターの間に挟んで使うことで、両者をうまい具合に繋ぐことができるようになります。
この文字だけの説明では情報が伝わりにくいかと思いますので、画像を使って改めて説明していきますね!
もしレンズキャップを購入する際には、PLフィルターのサイズに合ったものを選んでください。
ネットで『レンズキャップ 〇〇mm』で検索すれば、いろんな商品がヒットします。
次は別角度から見てみましょう。
いかがだったでしょう? 文字だけの説明よりは少しは分かり易くなりましたかね。
今回、私は62mmサイズの丸型PLフィルターを取り付けましたが、このサイズでなければいけないという訳ではありません。
アダプターのサイズが52mmのものを使っているので、52mmサイズ以上のPLフィルターなら取り付けは可能です。ただしその際には、各サイズに合ったステップアップリングも用意することを忘れないでください。
まとめ
今回の記事では、GoProを使った釣り動画の撮影にはPL(偏光)フィルターの利用が欠かせないということを実例を挙げて解説しました。
この他にも、 GoProへのPLフィルターの取り付け方や、その際の注意事項についても詳しく説明しました。
PLフィルターを利用すれば、水面からの余計な反射光が抑えられて、今までよりもずっと鮮明に魚たちの姿を映像に収めることができるようになります。
GoProを使って、今までよりもワンランク上の釣り動画を撮りたいという方は、是非ともPLフィルターの導入を検討してみてください。
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